こんにちは、Gufo2/5です。
先週の米国株式市場は、月曜日、次期大統領ドナルド・トランプ氏の財政政策の恩恵を受けると予想される銘柄が上昇したため、主要3指数は過去最高値で引けました。米国債券市場は退役軍人の日のため休場でした。火曜日、投資家による利確定とインフレ指標に対する不安感により選挙後の好景気は勢いを失い、主要3指数は下落して取引を終えました。水曜日、予想通りの消費者物価指数が、FRBによる12月利下げの見方を強めたため不安定な取引日となり、DJIAとS&P500が小幅上昇した一方、Nasdaq Compositeは下落して取引を終えました。木曜日、パウエルFRB議長の発言が年内追加利下げの期待を弱めたため、主要3指数は下落して引けました。金曜日、利下げペース鈍化の懸念と、トランプ次期米大統領による閣僚人事に対する反応が背景となり、主要3指数は下落して引けました。S&P500とNasdaq Compositeは9月初旬以来最悪の週となりました。
今週は、決算シーズンが終わりに近づき、半導体大手や小売業大手の決算が発表されます。株価が上向くかどうか、気になるところです。
1.米国主要株価指数&米国債金利
1-1.マーケット記事斜め読み(①市場関連)
11/11
- S&P500金融指数(SPSY)は1.4%上昇し、Wells FargoとJPMorganの上昇に支えられ、銀行株がDJIAを史上最高値に押し上げた。
- Russell 2000(RUT)は1.5%上昇し、2021年11月以来の高値を付けた。わずか4営業日で選挙後の上昇幅を8%に拡大した。小規模企業はトランプ大統領の減税案や予想される規制緩和の恩恵を受ける可能性があるとみられている。
- 小型株は、いわゆるトランプトレードの主な受益者であり、保護貿易政策から利益を得ることができる国内重視の企業である傾向がある。さらに、規制環境がより緩和されれば、小型株の合併や買収への道筋が容易になる可能性があると考えられている。
- Teslaはイーロン・マスク最高経営責任者とトランプ大統領の緊密な関係から恩恵を受けるとの見方から、上昇(↗9%)して1兆1000億ドルを超えた。水曜日早朝に大統領選挙が発表されて以来、現在40%近く上昇している。
- 「トランプ政権の勝利は、今後数年間、Teslaとマスクにとって自動運転とAIのストーリーに大変革をもたらすだろう。トランプ政権下では、マスクとその仲間が過去数年間に自動運転車を巡って遭遇してきた連邦規制の網がトランプ新政権下で大幅に解消されるため、これらの重要な取り組みが今後迅速に進められると我々は確信している。」(Wedbush)
- S&P500情報技術指数(SPLRCT)はほぼ1%下落し、PHLX半導体指数(SOX)は2.5%下落した。Nvidiaは最近の上昇分を失い下落して終了した。(↘1.6%)
- 「選挙後の4日間は荒れ模様で、市場は一息ついている。だが、トレンドは上昇傾向にある。トランプ上昇がサンタクロース上昇に転じたとしても驚かない。」(Longbow Asset Management)
- 仮想通貨Bitcoinが選挙以来25%以上上昇して過去最高の8万7000ドルに急騰し、仮想通貨関連株が上昇した。
11/12
- 次期米政権の政策がインフレを悪化させるのではないかという懸念から、投資家の熱意は冷めた。欧州中央銀行の政策担当者らがトランプ大統領の関税引き上げが世界経済の成長を阻害すると警告したことから、欧州株は2%下落した。
- 債券投資家がトランプ政権の政策を織り込んだため、米国債利回りの上昇(国債価格が下落)が株式市場を圧迫した。この動きは、債券市場が利下げ期待を縮小したことから生じたものと思われる。
- 「10年国債利回りは株価上昇に対する逆風となっている。投資家はこうした成長策を歓迎しているが、債券市場は反発しており、相反するシグナルが出ている。問題は関税、減税、移民制限の間で、債券市場が無視できないインフレ圧力が実際に生み出されていることだ。」(Cresset Capital)
- 「海外株の下落とインフレ統計前の利益確定売りが米国株に一定の圧力をかけた。非常に好調な展開で既に下落を経験している状態で取引を開始したため、投資家は株価がさらに下落した場合に備えて利益を確定しようとする傾向がある。このデータ(水曜日の消費者物価上昇率データ、今週後半の生産者物価上昇率と小売売上高データ)は投資にとって短期的なリスクとなる。今日見られる下落に多少影響している可能性が非常に高い。」(Ameriprise Financial)
- DJIAの中でAmgenは終盤の売りにより最も下落した。(↘7%以上)
- Amgenの実験的な肥満治療薬マリタイド(MariTide)が、2月に発表したデータで骨密度が4%減少したことを示した。(Cantor Fitzgerald)
- NovavaxはCOVID-19ワクチンの売上が予想を下回ったため年間収益見通しを引き下げた。(↘6%)
11/13
- 「インフレが予想を上回らなかったことで、いくらか安心している。それが今日の消費者物価指数報告を前にした懸念だった。予想通りの数字が出たことで、そうした懸念がいくらか和らいだ。今日のデータから12月の利下げに反対する根拠は何も見当たらない。」(Edward Jones)
- 米国債2年利回りが急落した。しかし、指標となる10年国債利回りはデータ発表後に持ち直し、投資家がドナルド・トランプ次期大統領の政策がインフレを悪化させる可能性があるという長期予想に注目したことから、4.46%まで上昇した。
- 投資家は次期政権が企業に有利な姿勢を示し、減税を実施する可能性を期待している。
- 「共和党が下院で過半数を獲得したという水曜日の予測は、トランプ大統領が自身の政策を押し通すことがより容易になる可能性があることを示唆している。」(Wedbush Securities)
- 「リスク資産の上昇傾向をみている一方で、市場は金利、インフレ、バリュエーションと闘っており、トランプ氏が前回大統領に就任した2016年よりも今の方が大きな逆風となっている。」(Barclays)
- 報道によると、Spirit Airlinesが破産申請の準備を進めており、債権者と協議中である。(SAVE:↘59%)
- VolkswagenはRivianへの投資を増額した。(RIVN:↗13.7%)
11/14
- 「パウエル議長の発言は、利下げの道筋に関するかつての非常に楽観的な見通しにさらに冷水を浴びせた。しかし、インフレと労働が均衡しているとは当然考えられないので、これは経済にとって明るいメッセージだ。」(Janus Henderson Investors)
- 「インフレ率がFRBの目標である2%を依然として上回っているという証拠はますます増えている。数字はおおむね予想通りだが、投資家は時折、一歩引いてこれは一体何を意味するのかと問いかける。12月の会合後のFRBの対応について不確実性が増すことになる。」(SimCorp)
- ドナルド・トランプ次期大統領政権で予期される関税引き上げなどの政策変更による潜在的なインフレ圧力にも注目が移り、先週の株価上昇は弱まりつつある。
- 大統領選後の数日間に急上昇していた防衛関連企業の下げが最大の要因となった。
- RTX Corpは木曜日の防衛セクターで最大のウェイトを占め、9月19日以来の安値に落ちた後、下落して終了した。(RTX:↘3.9%)
- General Dynamicsも大きな足かせとなり、10月31日以来の安値に落ちた後、下落して終了した。(GD.N:↘6.9%)
- ドナルド・トランプ次期大統領がロバート・F・ケネディ・ジュニア氏を保健福祉省(HHS)長官に指名する予定との報道を受け、ヘルスケア株の売りが午後遅くに勢いを増した。ワクチンに対するケネディ・ジュニア氏の懐疑的な姿勢はよく知られており、ワクチン関連の銘柄が最も下落した。(MRNA:↘5.6%、NVAX:↘7%、PFE:↘2.6%)
- Walt Disneyが四半期利益でウォール街の予想を上回り、今後数年間の強力なガイダンスを示したことを受けて上昇した。(DIS:↗6%)
- トランプ大統領の政権移行チームはより広範な税制改革法案の一環として、電気自動車購入に対する7,500ドルの消費者税控除を廃止する計画である。(TSLA:↘5.8%、RIVN:↘14.3%)(Reuters)
- Tapestryは米国の裁判所が取引を阻止したことを受け、Capri Holdingsとの85億ドルの取引を解消すると発表した。(↗TPR:12.8%、CPRI:↗4.4%)
11/15
- 市場の焦点が企業に有利な選択とみられるトランプ氏の米大統領選挙勝利から、次期政権下での利下げ路線と潜在的なインフレリスクへの懸念に移った一週間が終わった。
- 「10月の小売売上高は予想を若干上回り、極めて重要なホリデーシーズンを迎える米国の消費者の健全性についてさらなる安心感を与えた。」(Barron's)
- 「過去48時間で、選挙だけでなく、予想を上回る経済データや、パウエルFRB議長がそれほど積極的に金利を引き下げる必要はないと述べたことなど、かなり大きな変化があった。市場の金利引き下げ期待は大幅に低下し、また市場は米選挙に対するかなり強気な反応の後、再調整している。」(Vaughan Nelson)
- 「本日の取引量は増加している。今月は好調だったため、人々は利益確定をしている。しかし、全面的な利益確定ではない。これはローテーションを示唆している。」(Huntington National Bank)
- 小型株Russell 2000 indexは1.4%下落し、4営業日連続の下落となった。
- 防衛関連企業や政府請負業者の株価も下落したが、これはトランプ大統領が今週初めに新設する政府効率化省のトップに人選した人物に対する懸念が一因となっている。
- 金曜日のボラティリティに拍車をかけたのは、株式および指数オプションの定期的な満期日だった。(Vaughan Nelson)
- 「金曜日の株式市場の弱さは投資家が株価下落に備えていなかったことが一因だ。」(SpotGamma)
- 債券利回りは依然高止まりしており、株価をさらに圧迫している。
- 半導体製造装置Applied Materialsの見通しが期待外れだったことが、今日の半導体セクターとハイテク全体に打撃を与えた。 (AMAT:↘9.2%)
2.主要経済指標
2-1.マーケット記事斜め読み(②経済指標関連)
11/13
- 労働省労働統計局によると、消費者物価指数(CPI)は10月に4ヶ月連続で0.2%上昇し、前年比では2.6%上昇した。変動の大きい食品とエネルギーを除くと、10月のCPIは0.3%上昇し、前年比で3.3%、エコノミストの予想と一致した。
- 住宅費の上昇は価格上昇の最も根強い側面の一つであり、先月も住宅が引き続きインフレの課題となっていることが再び証明された。
- 労働統計局の住宅指数は9月に前月比0.2%の緩やかな上昇となり、住宅価格上昇にようやく進展が見られるとの期待が経済学者に広がった。しかし、先月、住宅価格上昇は0.4%にまで戻り、総合消費者物価指数の月間上昇の半分以上を占めたと労働統計局は報告した。1年前と比較すると、住宅価格上昇は10月に4.9%となった。
- 10月の家賃は前月比0.3%上昇したが、住宅所有者の住宅インフレを示す同局の指標(所有者相当家賃指数)は前月比0.4%上昇した。ホテル宿泊を含む自宅以外の宿泊は、9月の1.9%下落後、10月は0.4%上昇した。
- 全体的なインフレの状況は依然として良い方向に向かっています。
11/14
- 10月の最終需要の生産者物価指数が前月比0.2%上昇し、予想と一致したが、年間2.4%の上昇は予想を若干上回った。
- 11月9日までの週の失業保険申請件数は季節調整済みで4,000件減少し217,000件となり、予想を下回った。
11/15
- 10月の米国の小売売上高が予想(0.3%)をわずかに上回って0.4%増加した。輸入価格も回復し、水曜日と木曜日に発表されたデータはインフレの堅調さを示した。企業は消費者の力強さの継続の兆候から恩恵を受ける可能性がある。
2-2.マーケット記事斜め読み(③FRB関連)
11/11
- FRBは先週、金利を25bps引き下げたが、金利先物市場では、12月の中央銀行会合でさらに25bpsの引き下げが行われる可能性が65%とトレーダーは見ている。(FedWatch)
- 「政策当局は、特に米国経済が引き続き堅調である中で、新たな物価上昇圧力のリスクについてすでに非常に慎重であり、FRBは慎重な道を歩む必要があるだろう」(Principal Asset Management)
11/12
- 「米国の金融政策は適度に引き締め的であり、短期借入コストが引き続きインフレと経済を減速させているものの、その減速幅は大きくない。」(ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁)
- 「経済が現在好調で、金利が最近のピークから下がっただけでなく、歴史的な低水準からも下がっていることから、FRBは経済がどう発展しようとも適切に対応できる立場にあると申し上げたい。インフレ圧力が高まったり雇用市場が弱まったりすれば、米中央銀行はさまざまな潜在的なシナリオに対応する用意がある。」(リッチモンド連銀のトーマス・バーキン総裁)
- FRBが12月17日~18日の会合の終わりに0.25%ポイントの利下げを再度行うかどうかは、コイントスに近い状況となっている。
- そのような利下げの確率は今日の午後60%に低下した。1週間前、トレーダーらは利下げの確率を77%としていた。(FedWatch)
11/13
- 消費者物価指数(CPI)の報告後、トレーダーの賭けは、FRBの12月の会合で25bpsの利下げが行われる確率が82%以上となり、月曜日の58.7%から上昇した。(FedWatch)
- 「インフレが下降傾向にあると確信している。CPIデータがその下降傾向を裏付けている。」(ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁)
- 「米連邦準備銀行は意図せずインフレを再燃させないよう、さらなる利下げを慎重に進めるべきだ。」(ダラス連銀のローガン総裁)
11/14
- パウエルFRB議長はFRBが経済ブレーキを緩める準備がまだできていないことを改めて強調した。
- トレーダーらは依然として12月のFRB会合で25bpsの利下げが行われると見込んでいた。
- その確率は午後の早い段階で76%、水曜日には82.5%だったが、62%に低下した。(FedWatch)
- 他のFRB政策担当者の中には、いつ、どの程度の速さで、どの程度まで金利を引き下げるかを検討する際に、再びインフレリスクに関心を移している者もいる。
11/15
- トレーダーらはFRBが12月の会合で金利を変更しないとの見方を強め、その確率を約42%と見積もっている。これは1ヶ月前の約14%から大幅に上昇した。また、2025年の金融緩和への期待も引き下げられた。(FedWatch)
3.投資状況
【雑感】
先週のS&P500は前週の上げを維持できず、上げ下げを繰り返した後、大きく下げて引けました。特に、ヘルスケアの下げが大きく。ポートフォリオの構成銘柄もその波を受けてしまいました。ロバート・ケネディJr氏のHHS長官指名がどこまで影響を及ぼすのか不確定ですが、冷静に見れば買いのチャンスですね。コミュニケーション・サービスのポートフォリオは下げの波を被らなかったことで、S&P500をアウトパフォームできたようです。
【過去記事】
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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